1月13日に坂田道太先生が亡くなりました。87歳だったそうです。
と言っても、知らん人が多いでしょうな。
元政治家です。私の記憶にある現役時代は衆議院議長だった時ですが、学園紛争時代の代名詞「東大安田講堂事件」の際に文部大臣だった人です。私が子供の頃、ソ連から亡命希望者がミグ25が飛んでくるという事件がありまして、その時の防衛庁長官です。
政治家引退後、私が働いているところの一番偉い人だった時期があり、何度かお見かけしたりお話しを伺ったりしたことがあります。
飄々としていて、それでいて背筋をシャンと伸ばして颯爽と歩くカッコイイおじいさんでした。
そんな坂田道太で思い出した話がありました。
今回はそのエピソードの紹介です。完全に他人のフンドシです。
以前聞いたことがあった話だったのですが、こんな面白い話なのにすっかり忘れていましてね、ひょんなことからネット上で同じエピソードが載っているのを発見して思い出したわけです。
それとも有名な話なのかなあ?ひょっとすると内輪の人間の犯行かもしれませんが。
事の発端は、3〜4年前でしたか、史上稀に見るアホ首相
森喜朗の発言です。
森首相(当時)がテレビの討論番組で
「亡くなった坂田先生が・・・」と言ったらしいのです。
それを偶然見ていた坂田道太の奥さんが、こう言ったそうです。
「あなた、死んだわよ」そう言われた坂田道太はこう答えたそうです。
「そうか」なんて素敵な話でしょう。
まず何よりも驚かされるのが、奥さんの
度量の大きさです。
怒るわけでも慌てるわけでも笑うわけでもなく、ただ淡々と。
そしてそれを一言で受ける坂田道太。
いやあ、夫婦ってのは極めるとここまでいくんですね。素晴らしいことです。
私はこの会話から勝手に「小津的世界」を想像してしまうわけです。もっとも『夫婦善哉』は豊田四郎ですが。
しかしこの会話、一歩間違えると
「お前はもう死んでいる」という、ある種全く逆の世界、「北斗の拳」的な会話になりかねませんね。タワバ!
それにしても驚かされるのが、森喜朗の
脳ミソの小ささです。翌日、坂田道太にヒラ謝りに謝ったそうですから、肝っ玉も小さいわけです。図体はデカイのに。
しかしまあ、故人のことを悪く言うのはよしましょう。
え?森喜朗死んでない?死んだのは小渕恵三?
森喜朗がどんな首相だったか思い出したい人は、
ニセ前首相官邸のホームページでもご覧ください(勝手にリンク。他人のフンドシ)。ただし、ニセですので真に受けないように。