イントゥ・アニメーション3 杉並スペシャル

日本アニメーション協会主催の短編アニメーション上映会。
なんでも1997年からはじまり今回は4年ぶり3回目だとか。
全部で4つあるプログラム中私が観たのは1つ。


以下上映プログラムと私の雑感。


Learn to Love/Countdown

 米正万也
 んー、まあ、音と絵の同期ってのをやりたいのは分かるが・・・。
 こうした実験映像的なものは、実は映画的な運動に欠けている気がするのだ。

(予定と異なる作品が上映されたためタイトル失念)

 佐野真隆
 体調崩して新作間に合わなかったとかでデビュー当時の作品を上映。
 稚拙ではあるが、月と乾杯するなど面白いアイディアも。

水の円環

 島 由美
 まあ、女性らしいやわらかな絵面ではあるのだが・・・

INNER

 田辺幸夫
 今時珍しい16mmでの上映だった。以上。

またここで会おう

 吉良敬三
 NHK「みんなのうた」から。
 アニメそのものよりも星勝が作曲しているのに驚いた。

K・A2

 片山雅博
 この日の司会もした片山監督(どこぞの美学校の助教授とか)の黒澤明オマージュ(?)。
 笑ったけど、間に合わせの一晩作製ミエミエ。もっと続けて欲しかった。

ミニパト 第2話「あゝ栄光の98式AV!」(監督/神山健治)

 I K I F
押井守脚本(能書き)によるパトレイバーパロディー。
パトレイバーを知っている人は楽しい。
押井守を知っている人はもっと楽しい。
って言うかそういう人しか楽しめない。
押井の長台詞をこなす千葉繁は圧巻
(毎度のこと)
だが、切り絵人形劇をデジタルで行うという
アニメの技法的にも非常に高いレベル。

ASTRO BOY 鉄腕アトム<パイロット版>

  手塚プロダクション
 SPEJ (監督/小中和哉)
 全然ダメダメ。いくら最新技術を使おうとも、今となっては設定自体が古い。
 こういうのに頼らざるを得ない企画力に疑問を感じる。
 ところで小中和哉はどうなっちまうんだろう?このままでいいのか?

旅<再編集版>

 川本喜八郎
 アニメ界の重鎮にして現日本アニメーション協会会長川本喜八郎の作品。
 ご自身も来場。もういいジイさんだがその創作欲は旺盛。
 元来人形アニメが多い人だと記憶しているが、これは珍しい切り絵アニメ
 (って、なんでそんな事を俺は知ってるんだか)

adidas/MTV japan campaign "FEVER"

 竹清 仁
 ようはCM。十二分にMTVを意識した今時流行りのMTV的作り。

愛知県歯科医師会からのおしらせ

 はらひろし
 この日の司会者が監督。本職は歯医者。司会もできる歯科医。
 で、歯科医師会の依頼で制作した地方CM。すげー手抜きでかえって可笑しい。

「?」<撮り下ろし新作>

 森まさあき
 今回のイヴェントのディレクター。これまた一晩で撮影したというクレイアニメーション。
 えー、真面目に作ってください(笑)

フィッシャーマン

 坂本サク
 新進気鋭の若手監督。 センス抜群。
 スピード感もいいし、
 CGとセルの合わせ技も絶妙。
 舞った砂がカメラに付着するなんて凝った演出も。
 制作に3、4年かかっているとか。
 ただ、話的には既存の発想の域を
 超えていないのが残念。

頭山

 山村浩二
米アカデミー賞短編アニメーション部門ノミネートと
いう日本初の快挙をなし遂げたアニメ。
原作は全ての落語の中で最もシュールな「あたま山」。
あまりのシュールさに映像化は無理だと思っていた
だけに物凄く興味があった。
常人(私)のイマジネーションを遥かに超えた話だが、
それをイメージ化できた人のフィルターを通して
実際に映像として観てみると案外「普通」。
「ふーん、こうやったのか」って感じ。

他のプログラムではNHKの「ど〜もくん」とかストレイシープ(昔フジTVの夜中のキャラだった)とか
「だんご3兄弟−あっという間劇場」とか、NHKぷちぷちアニメなどもやるらしい。
そう考えるとNHKは(子供番組が多いせいもあるが)良質のアニメを生み出しているのだなあ。

ワークショップとかもあって、35mmシネカリとか体験できたらしい。
その紹介で「おおっ!マクラーレン」とか司会が
(小声で)言ってたが、誰も分からないって。
俺、観てるんだよノーマン・マクラーレン。「隣人」しか覚えてないけど。
川本御大がノルシュテインと共作するみたいな話もしてたけど、
ユーリ・ノルシュテインが誰かも皆知らんって。

そんなこんなで、美少女キャラとか声優とかいうのとはまた別の
私のアニオタぶりが露呈してしまったわけだな。
しかも作家主義だし(笑)

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