現代的跳ねっ返り娘・康子、その姉・啓子は対照的に典型的な“貞淑な妻”。そんな見合い結婚の姉の退屈な結婚生活を非難し、熱く燃えるような恋に焦がれる康子。その姿に少しずつ刺激され世間に触れ始める姉・啓子。一方康子も姉が理想的な夫婦であることに気付き・・・。「セックスの洪水時代」と言われ始めた当時、現代的な恋愛を取り上げた恋愛喜劇。 「ロカビリー映画第一号!」などとキャッチコピーをつけられているが、別にそんな映画ではない。たしかにそういうシーンはあるが、単に当時の風俗切り取りの一端にすぎない。 コンテ推考期間が一ヶ月あり、この時以来コンテ主義。撮影実数は三十数日。カット数は千近くにのぼるという。 助監督時代の人気から、三船敏郎、司葉子、田崎潤、田中春男、平田昭彦らがノークレジットで友情出演。後の常連組も多数出演。佐藤允はワンカット、小林桂樹はナレーション、仲代達矢は最後に。 岡本喜八はスタンダードサイズ好みだそうだが、時代はシネスコ全盛に。この映画を最後にスタンダードは『肉弾』までない。
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