2003年6月17日(火)のひとりごと 「賢者の贈り物」


私は贈り物が苦手だ。

「虚礼廃止」を口実に中元も歳暮も送らない。

果ては年賀状まで拒否しているのだから、まったくもって社会人としてダメな部類に入る。

別にお金をケチっているわけではない。正直、何をプレゼントしていいか分からないのだ。

その人の好きなもの、例えば映画だったり俳優だったりのチラシや切り抜きなんかを、遠方から来る友に用意したりするのを見る度に「金額ではなく気持ちなのだなあ」「本当に偉いなあ」といつも感服するのだ。

これは、茶道における「もてなしの精神(こころ)」に通じている。深い、深いな。



私の知人で、「無駄な物」かつ「捨てられない物」というのを贈り物やお土産の基本方針にしている人がいる。

なかなか立派な思想だ。

彼は大学生の頃、友人の引っ越し祝いに一升瓶を携えて行ったそうだ。

「オッ、悪いな。さっそく一杯やるか。ツマミ用意するよ」

「ツマミ?何のために?」

包装を開いてみれば、一升瓶に入った醤油

なかなか立派な思想である。

きっと彼にとって、北海道の民芸品「木彫りの熊」などは最高のアイテムだろう。

ちなみに我等がMJことみうらじゅんは、こういった嫌がられるような土産を「いやげもの」と命名している。






私が結婚した時に、当時の上司(課長)からお祝いの品をいただいたんですね。



それがこれです







デコイです。デコイなんです。





【デコイ】[decoy] : 狩猟で、おとりに使う鳥の模型。
(三省堂「デイリー 新語辞典」より)






何でしょう?何でデコイなんでしょう?

課長には、私が狩猟するように見たんでしょうか?

私が狩猟民族に見えたのでしょうか?

私がマタギに見えたのでしょうか?

石狩川で鮭をくわえているように見えたのでしょうか?

(狩猟に対する誤ったイメージ)





え?インテリア用だって?分かってますよぉ。

しかもこれ、本物のデコイで結構高価な物らしいんですよ。

だからほら



神様と一緒に奉ってあります。







決して邪魔だから追いやったわけではありません。





ホコリかぶってますけど。




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