2003年3月13日(木)のひとりごと 「101」


往々にして、自分の常識は他人にも常識だと思い込みがちだ。

特に他国の文化に対するそれは顕著で、映画や音楽は「世界共通の言語だ」なんてことを言い出したりする。
これはあながち間違いではないが、正しくもない。
これは価値観の問題であり、その価値観を育んでいるのは文化や風習、歴史等であり、それは国それぞれで異なるはずだ。
メディアが発達し、グローバルの名の下、世界中が同一の情報を共有できる世界になっても、その国に残る価値観まで画一化するとは考えられない。
まず あなた は違うことを認識しなければ、真の理解はあり得ない。

手先の器用なイエローモンキーと揶揄されるように、本来、日本は他国の文化を消化・吸収するのが上手い。
文明開化と呼ばれる明治維新以降の西洋化なんざごくごく最近の話で、大昔、稲作や仏教が伝来した時から、国情、風土に合わせて吸収、発展させ、今日に至っているのだ。

その一方で、先進国の肩書をもらってからその傾向に拍車がかかっているのではなかろうかとにらんでいるのだが、実は他国の文化を理解しているとはとても言えない(侵略戦争(とあえて言う)など典型的な例だ)。
自分達がそうであれば、他国もそうであろうという勝手な思い込みがある。
が「ペットがかわいい」と思っているのだから あなた も同様だと思い込んでいる。


先日見た電車の吊り広告。
「わんわん倶楽部」とか何とかいう雑誌。
どうやら犬を中心としたペット情報誌らしい。

もしかするとシビアな内容なのかもしれないが、その雑誌名からして、「人間本位」の動物愛玩の匂いがプンプンする。
犬に服を着せてしまうような、「キャー可愛い!」的な、アザラシを住民登録してしまうような、人間の身勝手な動物愛玩の匂いがする。
こういうのって、「動物との共生」ではなく、人間の為に動物を存在させてるんじゃなかろうか?
突き詰めれば、動物が好きなのではなく「動物を可愛がっている自分が可愛いんじゃねーの?」とさえ思ってしまう。
(ペットそのものを否定しているわけではありません、念の為)


そして吊り広告の雑誌の中にも「ペットのかわゆさは世界共通」といった認識に基づいたであろう特集記事の見出しが踊っていた。



最新ペット事情 in
 KOREA







韓国人、犬、食ってますけど?




(注意)
本文は他国の文化を否定するものではありません。
正直に言えば、犬食うのは「野蛮だ」とは思いませんが、アザラシの住民登録をするのは「馬鹿だ」と思ってます。



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