2003年2月5日(水)のひとりごと 「高熱中年」


「高熱中年」って、もはや原型がなんだか分からなくなっているが(それ以前に『微熱少年』をみんな知らんて)、風邪ひいて熱だしたという前回の話の後日談である。

しかし医者ってのはたいしたもんだ。
普段、多少の風邪でも面倒で医者には行かず「カイゲン」なんぞを飲んで済ませてしまうのだが、今回ばかりは急な高熱と、仕事が忙しい時期のため長患いになったら困るという思いと、大流行中のインフルエンザだったら困ると思い、医者に行くことを即決した。
私から遅れること半日で感染したヨメは、私の残った薬を飲んでいたが埒が明かず、医者に行ったらほどなく回復したほどだ。医者ってのはたいしたもんである。

近所に気に入ってる内科医がある。
住宅街にひっそりと開業したのは3年程前だった。
女医だから気に入っているわけではない(オバサンだし)。
看護婦さんや受け付けのお姉さんが美人だからというわけではない(愛想はいいが)。
だが気に入っている。
目立たない場所なのにとても混んでいるのは評判が良い証拠だろう(単に風邪が流行しているだけかもしれないが)。
ここは、いわゆるカルテが無い。正確には紙のカルテがない。
代わりに先生の机にはMacが乗っている。
そしてその画面には私も愛用のデータベースソフトファイルメーカーが開かれている(私はWindows版だが)。
つまりカルテはデータベースとして管理されている。
そして、診察後医者は処方箋を打ち込み、ネットワークでつながった薬局(兼受付)がそれを受けて薬を出すのだ。
シンプルだがとても効率的だ。
その電子化された姿と、なにより愛用のファイルメーカーが使われているのが気に入っている最大の理由だ。

インフルエンザではないと診断した医者は、胃腸にくる風邪も流行っていると前置きした上でこう続けた。
「抗生物質で胃腸の悪い菌をまず退治しましょう。でも3回分だけです。それ以上飲むと、胃腸の良い菌も弱まってしまいますから。」
こうして文章に書くとたいしたことを言っていない気もしてきたが、その時は何と明確な戦略なんだ!と感心したものである。
そうか、医者ってのは一つの戦略家でもあるのだな、などと勝手に思ったものである。
病気で身も心も頭も弱っていたせいかもしれんが・・・。

先日、ヨメがテレビを見ていたら何やら流行り病の特集をやっていたそうである。
見れば見るほど我々夫婦の症状が見事に一致したそうだ。


風邪ではなく
食中毒だったのだ。



私の残りの風邪薬を飲んでもヨメは治らんわけだ。治ったのは抗生物質のおかげだったのだから。

たしかに2日前に牡蛎(カキ)食ったよ。医者にも聞かれたよ。でもソテーだったんだよ。
牡蛎の菌ってのが、計ったように2、3日潜伏して増幅して発熱や腹痛の症状を引き起こすのだそうだ。見事に我々は謀られたのだ。
でもソテーだったんだよ。

ヨメ曰く「あんまり一生懸命ソテーしなかった」とのこと。

えーっと、すいません。
どのくらい熱意を込めたら牡蛎の毒素は消えるもんなのでしょうか?

どうでもいいが、牡蛎好きの私が初めて牡蛎に当たったのがショックだ。


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