2002年10月16日(水)のひとりごと 「少数派」


アップが遅れたが16日のひとりごと。

サッカー日本代表、いわゆる「ジーコジャパン」の初試合の日。
キリンチャレンジカップなどという大層な名前の付いた練習試合である。
試合の行われる国立競技場近辺はもう大騒ぎ。
千駄ヶ谷駅のホームでは「チケットゆずってください」という紙を持った人々がたむろし、行き交う人々は皆蒼いユニフォームを着用し、駅員は総出で交通整理する始末。
その人の波に呑まれて、私は国立競技場の隣の神宮球場ヤクルト−広島戦を見に行ったのだ。

断っておくが、私はサッカー嫌いではない。
16年前から(つまり4大会程だが)ワールドカップは欠かさず見ているし、今回の韓日同時開催もほぼ毎日見ていた。日本戦以外は
日本戦の日の渋谷は凄い人出だったなあ(飲みに行っていた)。でもすいてたなあディズニーシー(雨のせいもあったけど)
つまり私はサッカー好き(基本的にスポーツ観戦好き)だが、日本代表に興味はない。たしかに以前よりははるかに洗練され巧くなったことは認める。だが、私はもっと高いレベルのプレーが見たいのであって、ドンチャカドンチャカおらがチームを応援する気はない。ヤクルト以外は
と言うか、ほんの十数年前まで閑古鳥が鳴いていたサッカー(私は行ったことはないが、友人は毎年簡単にトヨタカップのチケットを手に入れていたもんだ。今はとても無理だとか)に、日本国中が大騒ぎしているのがチャンチャラ可笑しい。こちとらマラドーナの活躍を徹夜でテレビ観戦してんだぞ。

というわけで(<どういうわけだ)偶然チケットをもらった神宮球場だが、バックネット裏のものすごくいい席だった。
ちょうど関係者出入り口のすぐ前だったので、普段では見られない面白いものが見られた。

ヤクルトの攻撃になると、つば九郎つばみが出入り口通路でジッと観戦しているのだ。
つば九郎とつばみをご存知ない方に少々説明すると、どこの球団にも必ずいるマスコットなのである。

つば九郎 つばみ
(肖像権の侵害だと着ぐるみに怒られてもいけないので顔を隠しています)


「こいつら、着ぐるみ着るほどヤクルトファンなんだなあ」と思っていたら、そうではないらしい。
ホームランの選手を出迎えるのが役目だったのだ。
いつ来るとも知れない出番を待ち続けるつば九郎とつばみ。着ぐるみの悲哀を感じるではないか。

ちなみに我々夫婦は時々このマスコットの名前を忘れてしまい、横着して「若いつばめ」とまとめて呼んでいるが、考えてみればつばめってのは男だから女は美人局か?でも美人局の反対は間男か?

若いつばめ 美人局



また、回の合間(攻守交代)つまりテレビ中継で言えばコマーシャルが入るであろう場面になると、決まって私のすぐ前にエレベーターガールみたいな制服を着たお姉さんがやってくるのである。
これは一体何のサービスだろう?と思っていたらフェンスの前に立って警備しているだけだったらしい。
試合中、子供なんかがフェンスに近寄ってたりすると、このお姉さんが飛んできて優しく諭して追い返したりしていた。
私がフェンスにかぶりついていたらサービスが受けられたのだろうか?

そんなこんなで、時折隣の国立競技場から沸き起こる歓声を聞きながら、寒風吹きすさぶ消化試合は本当に寒く、青柳というマイナーな選手の引退試合も、ヤクルトファンの声援もむなしく本当にうら寂しい。(※青柳進=捕手=ロッテからヤクルトに移籍するも古田の壁は厚く控えに甘んじる。第二の捕手の地位もここ数年は小野や米野に奪われ昨年は右の代打要員に。だが今年は一軍の出番はなく、唯一の打席がこの日の代打だった)
最後に皆に胴上げされて16年間の選手生活を終えたのだが、関連会社で雇うなど引退後の選手の面倒みがいいと評判のヤクルトもこの不況でままならず、第二の人生の就職先も決まっていないと風の噂に聞く。
スポーツ選手の悲哀も感じてしまった。

こんなにも悲哀を感じるのは、大盛況の隣と比較してしまうからだ。
野球が終わったのはサッカーが終わってから1時間もたってから。それでも大勢の人。
帰りのバスを待つファン・・・これは分かる。だけど、公園のあちこちで大勢がサッカーしてるのはどういうわけ?
君たち、今さらそんなことしても日本代表にはなれないから。
まあ、それだけサッカーは親しみやすいスポーツだということなのかな。
そういえば大学時代、野球好きの先輩とサッカー好きの友人がよく言い争いをしていた。
サッカー好き「野球なんて辺境の国しかやってないスポーツじゃん!」
野球好き「サッカーなんか土人でもできるスポーツじゃねーか!」(まずい。思いっきり差別発言だ。)

以上、長くなりましたが、とっても少数派を堪能しましたという報告でした。
これが本当の『マイノリティー・リポート』(お、おやぢギャグだ・・・)


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