2002年8月21日(水)のひとりごと 「コンサート」

横浜アリーナにドリのコンサートを見に行った。
ドリとは Dreams Come True 、略してドリカム、通称ドリのことであって、「ウイーッス!」「宿題やったか?歯みがけよ!」というのはドリフである。

私はコンサートはあまり好きではない。出無精なので遠くの会場まで行くのが面倒なのだ。
そんな私でもドリのコンサートに行くのはかれこれ足掛け5年で3度目。そんなに好きなのかと問われれば、好きなことは好きだけど、3度もコンサートに行くほどでもなく、ヨメの付き合いというのが本音だったりする。
「来年はワンダーランドだ」と張り切っていたから、3度あることは4度あるということなのだろう。(※ドリが4年に一度行う大がかりなコンサートツアーのこと)

ドリのライブには、あの村上“ポンタ”秀一がドラムで参加している。あの、と言ったところで知らん人は全く知らんだろうが、日本一のドラマーである。今回はドラムソロまで披露してくれて感涙物。ツアー・メンバー常連であることもありドリカム・ファンにも認知されているのであろう、メンバー紹介では浦島りんちゃんとともに一段と拍手が大きくなる。
だが私は言いたい。
何千人だか何万人だかいるのか知らんが、この会場の中で、村上“ポンタ”秀一のソロアルバムを集めている奴が俺以外に誰がいるだろうか。いや、いない。いないに違いない。そんな物の価値の分からん奴にドラム・スティックを投げてやるくらいなら俺にくれ。(しまった!今、調べたらポンタのソロアルバムで買っていない物があることが判明した・・・)

そんな話はさておき、3度もコンサートに来ていつも思うことがある。これは一種の宗教なのだな。

観客は最初っから総立ち、たいがいラスト近くで演奏される「LoveLoveLove」は大合唱。ほとんどのアーティストがこういったものなのだろうが、私はこういった「みんなのってるかーい!イエーイ!」みたいなノリが得意でない。

他にもこういったノリが得意でない人を知っている。井上陽水である。

このオッサン何を思ったか最近精力的に仕事をしていて、おかげで初めて今年コンサートを見に行くことができたのだが、短い。ほとんどピッタリ2時間。だが物足りない感じはない。なにしろこの時間で22曲も歌ったのだから。メドレーなどではしょることなく総てフルコーラス。つまり、ほとんどしゃべらないのである。歌よりもしゃべりが長いと評判のさだまさしとは大違いである。

とはいえ全くしゃべらないわけではない。ただ、たまにしゃべったかと思うとトンデモナイ事を言い出したりする。

普通の場合
「○○(会場のある地名)の皆さんこんばんわー!」観客「こんばんわー!」
「みんな元気ー?」観客「元気ー!」
陽水の場合
「えー、梅雨だったり台風だったり何かと大変な天候ですけれども、皆さんいかがお過ごしでしょうか・・・」
「昨年は東京や大阪なんかを回っていましたが、今年は、普段なかなか行かないような所に来ているというわけでして・・・」オイオイ
八王子ではこんな事を言ったようである。(私が行ったのは相模大野)
「えー、わたくし、あまり縁のない八王子にやってまいりました。八王子で知ってる事といえば、松任谷由実さんの城下町というくらいなもんで・・・」オイオイ

ドリの場合
「みんないろんな所から来てるとは思うんだけども、今日はみんなのことを便宜上“横浜ベイビーズ”って呼ぶね」観客「わー!(拍手)」
陽水の場合
「まあ、この会場のどれだけの人が住民登録しているか知りませんが・・・」オイオイ

普通の場合
「次の曲はコレコレこんな想い出があって、こんな時に作った曲なんです(ちょっといい話に会場しんみり)」
陽水の場合
(「ダンスはうまく踊れない」(石川セリ(陽水夫人)への提供曲)の前のMC)
「ここ相模大野といえば石川セリさんの生まれ育った街でして・・・」
「石川セリさんといえば、かれこれ20年も一緒に生活しているわけですから、まあ、何と言うか、なかなか大変な関係なわけで・・・」
「まあ、そういうわけですから、この歌はあれですね。今にして思えば、生々しい歌でして・・・」オイオイ

普通の場合
「今日はみんな本当にありがとう。とっても楽しいよー。もっともっと一緒に楽しもー!」観客「ワー!」
陽水の場合
「アイツは働かないだのなんだというイメージがついてるようで、私は先入観や固定観念で見られるのが気に入らないものですから、今日もこうして歯をくいしばって働いておりますオイオイ
「こうしてツアーをやっていますと休みもなくて、ツアーが終わったら東南アジアにでも旅行に行こうかなと、毎日歯をくいしばって歌っているわけですが・・・」オイオイ

普通の場合
「みんなありがとー!また来るからねー!」
陽水の場合
「ここでのコンサートは初めてだったわけですが、ということは最後かもしれないわけでして、まあ、将来はどうなるか分からないわけですけれども・・・」オイオイ



ステキだ。


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