2003年10月15日(水)のひとりごと 「恋の戦闘配備」


私が朝の通勤電車の中で実際に目撃した話。
あまりに感動的だったので脚本風にしてみました。



○始発駅(朝)
   出発を待つ電車が停まっている。

○電車内(朝)
   座席でうつらうつらしているサラリーマンがいる。
   そこへ勢いよく乗り込んでくる女子大生。
   乗り込んできた勢いそのまま、サラリーマンの少し横に座る。
   その振動に目を開けるサラリーマン。怪訝そうな顔。
   寝起き直後なのか、(下地は出来ているようだが)化粧ッ気もなく仏頂面の女子大生。
   おもむろにバッグから化粧道具を取り出し化粧を始める。
サラリーマン「・・・」
   コンパクトの鏡を覗く女子大生。
   真剣に、しかし慣れた手つきで化粧する。
   発車ベル。ドアが閉まる。

○始発駅(朝)
   電車が走り出す。

○電車内(朝)
   走り出した電車に身体が揺れるサラリーマン。
   微動だにせず化粧を続ける女子大生。
   マスカラを塗り、眉を描き、ビューラーで睫毛を上げ、頬やリップを塗る。
   (化粧の詳細は分からないので適当に)
   その姿をチラチラと横目で見るサラリーマン。
   乗客はまばら。

○A駅(朝)
   電車が入線してくる。

○電車内(朝)
   A駅に停車。
   乗客が次々と乗り、座席は満席に。
   サラリーマン、女子大生の隣に席を詰める。
   そんなことは意に介さず化粧を続ける女子大生。
サラリーマン「・・・」

○A駅(朝)
   電車が走り出す。

○電車内(朝)
   一心不乱に化粧を続ける女子大生。
   初めは覗き見ていたサラリーマン、すっかりその手際に見入っている。

○走る電車・外観

○電車内(朝)
   女子大生の化粧も完成に近づいている。
   決して厚化粧ではなくあくまでナチュラルに、
   それでいて明らかに最初とは別人の顔になっている。
   それでも真剣な表情で鏡を覗き込み、入念に細部を修正していく。

○B駅(朝)
   ホームから入線してくる電車が見える。

○電車内(朝)
   鏡を見ながらアイラインを直す女子大生。

○B駅・ホーム(朝)
   電車が入ってくる。

○電車内(朝)
   女子大生、リップを直す。

○B駅・ホーム(朝)
   速度を落とす電車。まもなく停車。

○電車内(朝)
   化粧の細部を直す。
   鏡を見て最終チェック。
   見つめるサラリーマン。
   停車する電車。
   化粧の細部を直す。
   今まさにドアが開こうとする。
   その瞬間−
   コンパクトを閉じバッグに納める女子大生。
   顔を上げ、今までの真剣な表情から一変、瞳をキラキラさせ輝いた笑顔を見せる。
女子大生「おはよう」
   電車に乗ってきた男が近づく。
男「おはよう」
女子大生「(立ち上がる)」
男「座ってなよ」
女子大生「ううん。いいの」
サラリーマン「・・・」
   立ち去る二人。
   見送るサラリーマン。「やるな」といった表情で苦笑い。
   ドアの前、寄り添う女子大生と男。
   笑顔の女子大生。

○走る電車・外観(朝)

   終



こうして文字にしてみると、あの時の鮮やかな感動は伝えられませんね。
やはり映像化しましょうか。

サラリーマンの役は是非BRAVO300W! さんにお願いしたい。

その他乗客役はどうにでもなるとして、

誰かスッピン晒した上に化粧で変わっていく様を撮影させてくれる女性はいませんかね?


それ以前にどうやって電車内で撮影するんだ?



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